「アウトバウンドからインバウンドへ」
私たち"まちづくり観光機構"の発想の原点は、「アウトバウンドからインバウンドへ」というところにあります。
この2つの言葉自体は、あまり聞き慣れないかと思いますが、皆さまご存知のように、アウトという言葉には外、インという言葉には内、といった意味があります。
私の主業である旅行業において、アウトバウンドとは、外へ向けての発地型の仕事を云います。例えば、吉祥寺の旅行会社は、吉祥寺のお客様が吉祥寺から離れるご旅行のお手伝いをします。現在の多くの旅行会社の形態がこのアウトバウンドです。
これに対してインバウンドとは、着地型の仕事です。吉祥寺の旅行会社が、吉祥寺に外からいらっしゃるお客様のお世話をすることです。お客様を外に送ることがアウトバウンド、内でお世話することがインバウンドです。
日本の国全体が明治維新以降、今日に至るまでずっと、アウトバウンド志向の社会だったように感じます。
国民は安い賃金で一生懸命働いて、安くて質の高い物を外国に売る。お父さんは家庭を顧みずに会社で働くことを最優先する。国、家庭を豊かにするために外へ外へと視点を向けて続けてきました。
会社のために、国を豊かにするためにと必死になって働いてきた結果、日本の国も国民も物質的には豊かになりました。しかし、今、本当に国やまちや私たち自身は豊かであると言えるでしょうか?
今まで駆け足で外へ外へとがんばってきた結果、国もまちも人々の心もすっかり疲弊してしまったように感じます。
今まで考えられなかった倫理感やマナーの欠けた行動や事件が最近特に目立つように感じます。物質的には豊かになったものの、内面は逆に貧しくなってしまったのかもしれません。
こういう時代であるからこそ、あらゆる面において、インバウンドという内を省みる視点が重要なのではないでしょうか。
私たちの気持ち、家庭、住んでいるまち、そういった内側のことを見つめなおして、内側から豊かにしていくことを考える時期なのではないでしょうか。
自分達の住むまちの「光」を見つめなおし、外へ出て行くのではなくて、お客様に来ていただいて共に楽しむという、インバウンドの視点をもとうというのが、私たちの発想の原点です。
私たちの住むまちを大切にし、楽しいまちで楽しく生きるために活動していきたいと考えております。どうぞ皆さまお力をお貸しください。
まちづくり観光機構
理事長 野々山 桂